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研修セミナーの質問回答

2013年度第3回研修セミナー(1月29日)の会場質問への回答

 標記のセミナーは、おかげさまで盛況裡に終わりました。ご参加、ご支援くださいましたみなさまに心から御礼申しあげます。
当日、会場からたくさんのご質問をいただきましたが、時間の制約からすべてに回答できず申し訳ありませんでした。

いずれの企業や組織にも共通する重要なご質問ばかりですので、パネラーを務めました弁護士 上谷佳宏(兵庫県弁護士会所属)、弁護士 竹内朗(東京弁護士会所属)、コンサルタント笹本雄司郎(株式会社マコル)が改めて回答いたします。実務の対応やアドバイスに苦慮されているみなさまのご参考になれば幸いです。

なお,以下の回答はセミナー当日のパネルディスカッションの延長で「一般論」を回答するものです。公開のセミナーでの参考意見のひとつとしてご理解ください。

法律判断が必要なご質問につきましては、正確にお答えするには個別の事情を詳細に踏まえる必要があることから、本セミナーの趣旨に照らし、回答を差し控えさせていただきますのでご諒承ください。


質問 1 親会社の子会社管理のために要する費用は、親会社が負担するのと子会社が負担するのと、どちらが適切か?
回答
  • 子会社には経営資源が乏しいことも考慮すれば、親会社の負担割合を増やすことも検討されてよいと思います。子会社のリスク管理が行き届くことは、子会社の企業価値を向上させ、親会社が保有する子会社株式の価値も向上することになるので、親会社にとっても費用負担の正当性が認められます。〔竹内〕
  • 子会社ガバナンスの費用は、子会社の負担分と親会社の負担分の二層構造で考えるのが経営の実体に即していると思います。実務では、法人としての自律管理に要する費用は子会社で、グループの企業価値の維持・向上に要する費用は親会社が負担するケースが多いように思います。〔笹本〕
  • 笹本さんと竹内さんの回答のとおりでよいと思います。税務上の問題を引き起こさないために、親子間、子会社間での分担に関する客観的な基準を作っておく方がよいでしょう。〔上谷〕
質問 2 海外現地法人にはリスク情報を適時に「報告」してもらいたいが、すでに発生した問題は報告されるものの、可能性の段階のリスク情報がなかなか報告されない。定期的に現地に赴いて情報を収集したいが、法務担当が赴くと構えられてしまう。良い方法はないか?
回答
  • 大事であり難しくもあるのは、可能性の段階で掴んだリスク情報にどう適切に対処するか、放置するか突っ込んで調べるかの取捨選択です。「そこが難しいので適切な対処法を一緒に考えましょう」という姿勢で子会社に語り掛けると、子会社からも難しいので一緒に考えてほしいと相談が上がってくるかも知れません。〔竹内〕
  • 海外拠点を訪問することによって、現地メンバーと面識ができ、多少は情報を得やすくなるかもしれません。しかし、現地メンバーにおいて、親身になってサポートしてくれる信頼感が築かれ、かつ報告するメリットが自覚されない限り、「可能性の段階のリスク情報」は入手できないと思います。海外拠点には、責任減免制度など明確な基準を設けたうえで、親会社のトップ層ができるだけ足を運び、責任ある経営への協力を呼びかける姿勢が有効であろうと考えます。〔笹本〕
  • 基本的には、国内と同様に、リスク感度の共通化と報告ルールの明確化が重要だと思います。法務担当が赴くと構えられるというのは、責任問題に発展したり、余計な作業を強いられるのではないかと危惧したりするからではないかと思います。基本に立ち返って、子会社向けの研修等や竹内さんや笹本さんが言われるように密接なコンタクトによって、リスク管理の必要性・有用性を理解してもらう地道な努力をするしかないのではないかと思います。ただ、海外子会社の場合は、文化の違いや言葉の問題から、本社が考えているようなリスク感度を醸成できないこともあると思います。これに対応するためには、現地の専門家のアドバイスや協力を得て、現地の法律や文化に配慮したリスク情報の早期入手方法を検討することも検討してよいと思います。〔上谷〕
質問 2 海外現地法人にはリスク情報を適時に「報告」してもらいたいが、すでに発生した問題は報告されるものの、可能性の段階のリスク情報がなかなか報告されない。定期的に現地に赴いて情報を収集したいが、法務担当が赴くと構えられてしまう。良い方法はないか?
回答
  • 大事であり難しくもあるのは、可能性の段階で掴んだリスク情報にどう適切に対処するか、放置するか突っ込んで調べるかの取捨選択です。「そこが難しいので適切な対処法を一緒に考えましょう」という姿勢で子会社に語り掛けると、子会社からも難しいので一緒に考えてほしいと相談が上がってくるかも知れません。〔竹内〕
  • 海外拠点を訪問することによって、現地メンバーと面識ができ、多少は情報を得やすくなるかもしれません。しかし、現地メンバーにおいて、親身になってサポートしてくれる信頼感が築かれ、かつ報告するメリットが自覚されない限り、「可能性の段階のリスク情報」は入手できないと思います。海外拠点には、責任減免制度など明確な基準を設けたうえで、親会社のトップ層ができるだけ足を運び、責任ある経営への協力を呼びかける姿勢が有効であろうと考えます。〔笹本〕
  • 基本的には、国内と同様に、リスク感度の共通化と報告ルールの明確化が重要だと思います。法務担当が赴くと構えられるというのは、責任問題に発展したり、余計な作業を強いられるのではないかと危惧したりするからではないかと思います。基本に立ち返って、子会社向けの研修等や竹内さんや笹本さんが言われるように密接なコンタクトによって、リスク管理の必要性・有用性を理解してもらう地道な努力をするしかないのではないかと思います。ただ、海外子会社の場合は、文化の違いや言葉の問題から、本社が考えているようなリスク感度を醸成できないこともあると思います。これに対応するためには、現地の専門家のアドバイスや協力を得て、現地の法律や文化に配慮したリスク情報の早期入手方法を検討することも検討してよいと思います。〔上谷〕
質問 3 親会社が定めた親子間のルールを子会社に守らせるにはどうすればよいか? 契約を締結する選択肢も考えられるか?
回答
  • グループ内部統制上のルールの履行を親子間の契約で確保しようとするのは、履行確保を判決による強制とか損害賠償請求でしようとすることであり、異常なことだと思います。グループ内部統制上のルールの履行の確保は、あくまで、グループ内部統制の整備(構築・運用)の一環として、親会社・子会社の役員の義務としてなされるべきものと考えます。〔上谷〕
  • 子会社によるルールの軽視・無視や違反行為の隠ぺい・偽装を懸念してのご質問と理解しました。ルールの対象事項を絞る、報告相談窓口の敷居を低くする、メリットを感じる専門サポートを提供するなど、子会社の視点で運用のしやすさを向上させることが大切ではないでしょうか。拘束力や牽制力を強化する紋切型の管理は、問題隠しを引き起こす危険があるので注意が必要です。〔笹本〕
  • 形式的には、親会社と子会社との間で「経営管理契約」「経営指導契約」を締結する実務もありますが、形式面より実質面が大事なのは上谷さん、笹本さんの回答のとおりです。〔竹内〕
質問 4 国内の子会社管理も努力が必要だが、海外の子会社ではさらに困難が大きくなると考えられる。どのような発想でのぞむとよいか?
回答
  • 海外子会社の不祥事としては、(1)知識不足や小さなミスで生じた会計処理や債権管理上の不備が、現地の事情で解消されずに放置され、結果的大きな不祥事につながる例(現地での債権回収のための法的手続が困難であるにもかかわらず、安易に考えて貸込んだ結果泥沼化した事例)や(2)現地の法的規制の理解不足によるコンプライアンス違反(セクハラ・汚職)がよく見られます。これらについては、地理的・時間的・言語的制約を解決するために、親会社と意思疎通のできる現地の弁護士・会計士等の専門家によるサポートや監視が有用だと思います。〔上谷〕
  • 海外拠点の場合、日本人村を作り、日本式のビジネスの行動習慣を無警戒に持ち込んで摘発される危険があります。日本式の経営は、高品質な製品に安く作ることは上手でも、ガバナンス、内部統制システム、市場競争に関する欧米の発想・価値観を理解しませんし、コントロールの水準や透明性も及びません。例えば、日本では事情上許容される会社との利益相反行為や同業者との情報交換であっても、欧米では規制の対象に含まれることが珍しくありません。このギャップは机上で勉強しても限界があります。ですから、体制、権限配分、行動ルールなど抜本的に現地化をはかる発想が必要だと思います。〔笹本〕
質問 5 グループ共通の内部通報窓口に子会社の従業員からパワハラや職場内のいじめについて相談が寄せられた場合、どのように対処すべきか?
回答
  • 子会社従業員が親会社の内部通報制度を利用できる制度設計をするのであれば、その場合の調査担当者・調査方法・報告方法・再発防止策の策定・処分・フォローアップ等についての細かなルールを予め作っておくことが重要です。〔上谷〕
  • 子会社内では解決できない事情があるかもしれません。しかし、子会社から親会社への内部通報は、通報者・対象者・事実背景などの情報が不足しているうえ、調査に乗り込むと目立つので、親会社の対応は難しくなります。また、子会社の社長や担当役員に調査と報告を依頼する方法もありますが、通報者に不利益が及んだり、不正確な報告が届いたりする可能性が避けられません。親会社の調査担当者が子会社の担当者と一緒に調査し、経営層に問題があれば親会社が対応し、それ以外であれば子会社で対応するのが現実的ではないかと思います。〔笹本〕
質問 6 子会社のコンプライアンス責任者が、パワハラ行為に関与するなど、品位や行動において不適任と思われる場合、どのように対処すべきか?
回答
  • 子会社の従業員という重要なステークホルダーにハラスメントの被害が及んでいるのであれば、子会社を実質支配する親会社の社会的責任として、加害者であるコンプライアンス責任者を更迭するよう支配権を行使すべきです。〔竹内〕
  • 子会社の経営トップに懸念を伝え、事実の再調査、解任の要否の判断、結果の報告などを求めるべきだと思います。〔笹本〕
  • 竹内さんと笹本さんの回答のとおりだと思います。当該人物の不適任性が強度な場合には、グループ内部統制の観点から、より積極的に、親会社の役員の是正義務を肯定してもよいかもしれません。〔上谷〕
質問 7 海外拠点という壁に対して、内部統制システムの整備をどのように進めたらよいか?
回答
  • 内部統制システムというのは、要するに「業務の適正を確保するためのシステム」であることから、海外子会社における「業務の適正を確保するためのシステム」を構築・運用するのにどういう方法が最も適切であるかを考えるのがよいのではないかと思います。人員構成等が本社と同質の子会社の場合には、本社で内部統制システムの整備に習熟した者に海外子会社の内部統制システムの整備を担当させるのがよいと思います。そうでない場合には、現地の文化・法律等に照らして、現地の専門家の助力を得ながら、構築・運用する方が効果的ではないかと思います。〔上谷〕
  • 日本の会社では、権限も責任も組織に帰属させることが多いのに対し、海外の会社では、権限も責任も個人に帰属させることが多いという差異があるようです。CEOに強い執行権限を与える代わりに、GC(General Counsel)に強い牽制権限を与えるという、個人単位での内部牽制機能を社内に備えることも一案です。〔竹内〕
  • 日本国内とは異なり、自分の評価・収入を上げるためのお手盛りや架空計上を中心に統制箇所を設定していくのが効果的だと思います。また、その前提として、権限付与の上限や意思決定の仕組みにも注意が必要です。現地採用の人事部長が、権限規程の不備をついて、親会社の知らないうちに社員の給与を倍増してしまったケースもあります。〔笹本〕
質問 8 理論的には、社内カンパニー制を選択すれば子会社リスクは回避できる。それでも子会社を設立・維持するメリットはなにか?
回答
  • 子会社リスクの内容は、(1)子会社が行っている事業自体に内在するリスクと(2)親会社とは別個の存在である子会社を管理することによるリスクがあると思います。そして、社内カンパニー制を選択しても、当然、(1)のリスクは存在しますし、(2)のリスクについても、子会社に対する管理とは異なる部分があるものの、社内カンパニーという組織に対するリスクに形を変えて存続します。したがって、社内カンパニー制を選択することによって回避できる子会社リスクというものは、観念的なものに過ぎず、また、ある程度限定的なものではないかと思われます。社内カンパニー制ではなく子会社の設立を選択するという際に、子会社リスクを抱えても子会社を設立・維持するメリットがあるというような思考方法は取っていないのではないでしょうか。〔上谷〕
  • 最近でこそ戦略的M&Aによる子会社が増えてきましたが、これまでは、人件費やコストの低減、外注業務の内製化による利益の取り込み、特定事業の独立拡大、退任役員の横滑りポスト、経営危機の取引先の救済などを理由で子会社がつくられるケースが圧倒的多数でした。親会社の一部組織として吸収して構わなければ、質問のように社内カンパニー制も可能ですが、稀なケースだと思います。〔笹本〕
以上

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